最終更新:二〇二五年 五月三日 再公開
――≪警告≫―― この物語は知らなくても【いい】。 既に【結末】を知っている者は知っているし、 遠い【未来】の話を読むのにも支障はない。 或いは、知ってしまったところで何の意味も成さないかもしれないし、何もわからないかもしれない。 それでも、知りたいと望むなら。 二〇××年 ×月 ×日 ”灯火”
昭和37年の秋、I県H郡古霊町。 不可解な症状に苦しむ娘がいた。 医者は悉く匙を投げ、世間は彼女の症状を呪いや祟りと呼んだ。 町の誰にもどうにもできない怪現象を前に、やがて二人の祓い屋が呼び寄せられる。 かつて何が起こり、何があったのか。 『怪事シリーズ』の【彼ら】と【彼女】の過去と邂逅を描いたスピンオフ。
生きていたいと【彼女】は願った。 それは叶わぬまま散ったはずだった。 長い長い時が過ぎ、【それ】は目覚めた。 【片割れ】への因縁と愛憎と【悲願】。 【末枯れる】花に、その成就を祈って。