イントロダクション

『捜話』最後の戦いの後、烏貝乙瓜は静かに姿を消した。
 隠されていた真実の暴露は、しかし始まりに過ぎず。
 草萼火遠が傷つき全ての力を封じられたその隙に、【月喰】が――曲月嘉乃が遂に動き出す。
 再開、再起動。【大霊道】を巡る最後の戦い、そして全てが結末に向けて再び回り始める。

 これは決着の物語。終わらせ方の物語。
 もしかしたらそれは呪いと悲しみの始まりと断ち難い苦しみを一時封じるだけの、気休めの物語かもしれない。

 けれども。これは廻り回っていつかの未来へつながる物語。
 希望を目指すための物語。遥か未来の闇に向けて放たれた小さな光。

 ――例え、愚か者だとせせら笑われても。

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 このタイトルは『怪事戯話』から続く物語の三作目になります。
 初見の方は『怪事戯話 -アヤシゴトバナシ-』、『怪事捜話 -アヤシゴトサガシ-』を先に読む事を推奨いたします。
 シリーズ全体のまとめはこちら↓